県下の動き−県民のたたかい
教え子を戦場に送らない【14.07.24】
みえ教職員懇話会が講演会
教育の民主的発展を願う三重県内の教職員でつくる「みえ教職員懇話会」の総会記念講演会が20日、津市内で開かれ、尾西康充三重大学人文学部教授が講演しました。
尾西氏は冒頭、4月のオバマ米大統領訪日時に三重大生が大学門前で警官から職務質問を受けて持ち物を検査された事件や、安倍政権が集団的自衛権行使容認を「閣議決定」した7月1日に県内の高校3年生に自衛官募集案内が「まるで赤紙(召集令状)のように」送りつけられたことなどを例に挙げて、「すでに頭の後ろに銃口は突き付けられている」と日本の現状に警鐘を鳴らし、「『教え子を再び戦場に送らない』との思いを皆さんと共有したい」と述べました。
その上で尾西氏は、作家・石川達三が中国・南京での三重県の歩兵第33連隊の兵士たちの行状を描いて発禁処分になった小説『生きてゐる兵隊』などを詳しく紹介し、その後の裁判で「転向」した達三の思想的弱点も指摘しながら文学と戦争、表現の自由とリアリズムについて問題を提起。「日本が戦前と同じ状況にある今こそ、過去を直視しなければならない」と強調して講演を結びました。
(「しんぶん赤旗」2014年7月24日付けより)