県下の動き−県民のたたかい
名張 病院民営化だめ 6割【22.04.02】
「よくする会」がアンケート中間結果
三重県の「名張市立病院を守りよくする会」(略称、よくする会)は3月28日、名張市立病院の民営化を巡る問題で市民アンケートにとりくみ、回答者の約6割が民営化よりも医療充実を求めていると明らかにしました。
代表委員の臼井照男さん(伊賀名張ユニオン執行委員長)らが名張市役所で記者会見し、アンケートの中間結果を発表しました。
名張市立病院は1997年に開設され、市内唯一の公立病院で、新型コロナ対応を含め市民の命と健康を守る砦(とりで)の役割を果たしてきました。
しかし、名張市議会が昨年7月、病院の経営悪化を理由に指定管理を含めた民間活力導入などの抜本的見直しを提案。市は今年1月に検討委員会を設置し、来年2月の答申に向け議論を進めています。
アンケートは今年1〜2月、市内に約8千枚を配布。現在2割を超える1,700人から回答が寄せられています。(中間集計したの
は1,240人の時点)
検討委員会に望むこと(複数回答)では、「民営化の議論より充実の取り組みを」(58%)、「市民の声を幅広く聞いて、市民の合意を」(53%)、「中立公正であってほしい」(35%)が多く、「指定管理・民営化の方向で議論してよい」は10%のみ。市の検討委員会の存在を「知らない」が15%でした。
自由記述欄には、「名張に一つしかない市立病院をなくすべきではない」「公的医療を民間に委ねるのは市政の本分の放棄」など公立病院の必要性を訴える意見が多数寄せられています。
会見で、すずらん台2区自治会長の田岡康秀さんは「市立病院ができるまでは、夜間に受診できるところがなく、子どもがぜんそく発作を起こしたときには朝まで背中をさすったこともあった。市民が切望してできた病院を経営がうまくいかないからといって、市民が知らないうちに提言していいのか」と訴え。臼井代表委員は「市立病院はコロナ禍でも大きな役割を果たしてきた。 名張市長・市議選(10日告示、17日投票)候補者は、この結果を受け止め、市民の声を聞いてほしい」とのべました。