県下の動き−県民のたたかい
志位委員長ー非正規労働者と懇談=鈴鹿にて【09.04.05】
ホンダ・シャープ・・・・違法の実態次々
日本共産党の志位和夫委員長は4月5日、鈴鹿市で、大企業に「雇い止め」「派遣切り」された非正規労働者らと懇談し、「みなさんのたたかいは必ず未来に生きる」「これからも一緒にがんばっていきましょう」と激励しました。
「1人で悩んであきらめるのではなく、連帯して社会を動かすことが大切だとわかった」(33歳の男性派遣労働者)?。志位委員長は「非正規切り」の被害を受けている派遣・期間労働者約20人と懇談(党県委員会と北勢地区委員会共催)し、参加者はこんな感想を語りました。
同市を含む北勢地域には、ホンダやシャープなど「非正規切り」を行っている大企業の工場が集中しています。懇談に参加したのは、この地域の主に若い労働者。「派遣切り」で途方にくれる中、数日前にインターネットで「困ったときは共産党に」との文言を見つけて、日本共産党に連絡してきたばかりの青年も。
志位氏はあいさつで、いまの非正規労働は、現行法に照らしても圧倒的多数が違法状態にあるが、「法違反はどんな理由であれ許されない」と強調。「現行法でもたたかう道はある。みなさんの実態を教えてほしい」とのべ、身を乗り出しながら一人ひとりの声に耳」を傾けました。
ホンダ・鈴鹿製作所で雇い止めを強いられている男性は、期間制限を超える3年9カ月も派遣として働かされた上に、去年8月からは期間工として2カ月の細切れ契約を反復してきた実態を告発。派遣期間制限違反、短期契約の反復という「二重三重の違法行為です」(志位氏)。もう一人の男性も、ホンダで3年間、期間工として2カ月契約の更新を繰り返してきたと述べ、「裁判を起こしてでもこうした実態を変えたい」と決意を語るとともに、「地域に一人必ず国会議員がいる共産党になっていただければ…」と切実な願いを語りました。
鈴鹿市の富士ゼロックスで「派遣切り」を通告された若い女性は、同社で8年間も同じ仕事で働いていました。寮費は約7万円で光熱費等は3万円、さらに社会保険料などを引くと手取りは5万円以下になるときもあるといいます。後から、最初は「偽装請負」で派遣期間制限も超えていることがわかりました。「働くのに精いっぱいで全然知らなかった」。女性は悔しそうにいいました。
四日市市のパナソニックで「派遣切り」を通告された男性も、5年7カ月同じ仕事で働き、「チャンスがあれば正社員に」と思っていました。この場合も、大企業による二重の違法行為であり、志位氏が、「労働局への申告を検討してはどうか」と助言すると、男性は深くうなずきました。
また、ある男性は、日産九州、トヨタ車体(愛知県)、シャープ系列の下請け(淡路島)など全国を転々とさせられたうえ、シャープ亀山工場(三重県)で「派遣切り」にあったという境遇を切々と訴えました。
志位氏は、これらの実態に、「大企業の労働現場がまさに″違法の巣窟″とされていることに憤りを感じます」とのべるとともに、大企業に対し、「巨額の内部留保のごく一部を使えば雇用は維持できる」と要求するのは当然だが、「現行法に照らしても違法行為は許さない。ここをしっかり握ってたたかえば道は開かれます」と語りかけました。
参加者からは、労組に入ってたたかっている取り組みも次々報告されました。志位氏が、「みなさんのたたかいは必ず未来に生きる。日本社会の姿かたちを変える大事なたたかいです」と激励し、日本共産党としてもともに力をあわせ、全力をあげて奮闘すると表明、参加者は大きな拍手でこれに応えました。
懇談には、日本共産党から衆院東海比例候補の八田ひろ子候補と中野たけし候補、大獄隆司県委員長らが同席しました。
(2009年4月6日 「しんぶん 赤旗」)