政策と見解−県・市・町の動き
暮らし守る施策前進なし 大型公共事業は優先【14.02.13】
２０１４年度予算をみる 三重県
三重県は１２日、一般会計約６９０１億円の２０１４年度当初予算案を発表しました。対前年度当初予算比で２．２％の増。１３年度２月補正予算を合わせた１４ヶ月予算では０．５％増の６９８１億円になります。
鈴木英敬知事は選挙公約で「３０人以下学級の推進」や「子ども医療費助成対象年齢拡大」「特別養護老人ホームの待機者ゼロ」などを掲げていましたが、新年度予算ではこれらの前進がほとんど見られません。
上乗せせず
消費税率引き上げによる地方消費税増収分について鈴木知事は「すべて社会保障施策に要する経費に充てる」としていますが、増収分はこれまでの社会保障施策費に上乗せするのではなく、組み込まれているだけなので、国の社会保障切り捨て策に伴って県民が受ける福祉サービスは悪くなるばかりです。
予算の重点項目として「少子化対策」が挙げられていますが、男性の不妊治療費助成など目新しい施策が並ぶものの、異常な長時間労働や非正規労働者の急増、子育て費用の増大など少子化の根本原因に迫る施策がないのが特徴的です。
「厳しい優先度判断により選択と集中を図る」という予算のなかで優先されているのは大型公共事業。新名神高速道路や紀勢自動車道、東海環状自動車道などの高規格道路と幹線へのアクセス道路など、国の予算に沿った公共事業の“ばらまき”は新年度も相変わらずです。
県税収入では、法人二税が円安の進行などにより１６．２％増の４８０億円になっていますが、個人県民税も「みえ森と緑の県民税」の導入などで５．５％増の６７０億円と個人の税負担が大きく増えています。
巨額の負債
県債の発行は１．２％減らしたとはいえ１１９９億円と新年度も巨額。その借金の返済に当たる公債費は県債額とほぼ同じ１１４０億円で、まさに“サラ金地獄”の様相。年度末の県債残高は１兆３６８５億円に上るという深刻な財政状況が新年度も続きます。
（「しんぶん赤旗」２０１４年２月１３日付けより）
