県下の動き−県民のたたかい
消防広域化でどうなるー中野たけし候補が語る【08.04.08】
「計画は机上の空論」批判次々
三重県は昨年12月、県内に現在15ある消防本部を第1段階として2013年4月から8本部に統廃合し、さらに第2段階で4本部に統合、最終的には「県域消防本部」一つにまとめようという消防広域化推進計画の素案を発表しました。
地域密着を消防長強調
これを受けて日本共産党三重県委員会は、消防・防災専門家の小竹三郎氏を講師に迎えて、消防広域化問題の党内学習会を開催しました。その後、各地方議員らが県内の消防長や自治体首長を訪ね、広域化が市町村消防の自主的判断に委ねられていることを佐々木憲昭衆院議員が国会質問などで確認していることも紹介し、消防問題での懇談を重ねています。
私もこの間、各地を回って、この問題での懇談を意識的に進めてきました。その中で、北勢地域の消防長は、「市民の命を守る救急と、財産を守る消防、地形や産業形態も地域によって違う。署員も地元採用だから士気も上がる。地元で密着している範囲でやることが必要」と、市町村消防の意義を強調。また、大規模災害時は「相互応援協定を結んでいるので、今のままで十分」と話していました。 北勢地域の別の消防長は、「実現不可能な一本化は反対」とし、「三重県のように南北に長い地形条件からみても、給与格差からみても一本化は無理」だと、問題点を指摘しています。
自治体の首長からも、「松阪から紀州までを管轄するなんて机上の空論だ。広域化には断固反対していく」(南勢地域の首長)、「なぜ人口30万人規模なのか。うちは今の時点で広域化しないといけないような不便はない。東京と違い、この地域は消防団の果たす役割
が大きい。市としても消防団の強化を進めてきた。消防力の強化こそ必要だ」(北勢地域の首長)など、広域化への疑問や反発の声が聞かれました。
市町村への援助強めて
マスコミ報道でも、中日新聞が「地域住民の命守れるか、効率化優先、現場から不安の声」との見出しで県の消防広域化計画を特集し、「職員8割が否定的」とのアンケート結果を報じるなど、広域化に疑問を投げかける論調が目立ちます。
広域化するかしないかは、地域の消防に責任を負っている市町村が決めることです。広域化を押しつけるのではなく、消防力の充実・強化を図るために市町村への援助を強めることこそが今、大事だという日本共産党の主張は、どこに行っても共感を得ています。引き続き、各地での懇談を重ねながら、消防再編の押しつけを許さない世論を広げたいと思います。 (日本共産党衆院東海比例候補・三重県委員会書記長)