県下の動き−県民のたたかい

伊賀の川上ダムー建設は不適切【08.04.25】

淀川流域委員会が意見書まとめ

 伊賀市に計画されている川上ダムを着工させようとの国の方針に対して、国の諮問機関「淀川水系流域委員会」が建設は不適切とする意見書をまとめたことに、住民からは「評価できる内容」「時代の流れで当然」など歓迎する声が上がっています。一方、野呂昭彦三重県知事や今岡睦之伊賀市長らは、いっせいに建設推進を訴え、ダムに固執する姿勢をあらわにしています。

 川上ダムは木津川支流の前深瀬川に計画されたもの。旧建設省の予備調査から41年になり、水没予定地からは、すでに住民が移転させられ、付け替え道路の工事も行われていますが、ダム本体は未着工。総事業費は1230億円(2007年試算)に膨れ上がっています。利水事業からはこの間、奈良県と兵庫県西宮市が撤退し、三重県だけが伊賀市への水道供給を計画しています。流域委員会は意見書で川上ダムが洪水時に下流の水位を低下させる効果を「極めて限定的」とし、利水面でも、ダムが必ずしも必要ではないと指摘しました。

 ダムに反対してきたNPO法人「伊賀・水と緑の会」の畑中尚理事は、「意見書は専門家の7年余にわたる議論を経て出された結論。国は専重してほしい」とし、「ダムに頼るのでなく森林整備などに力を入れる河川整備計画に方向を転換すべき」だと訴えています。
                       (2008年4月25日 「しんぶん赤旗」)

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