県下の動き−県民のたたかい
「アラブの春」探る 【13.01.29】
津革新懇が講演会
三重県の津革新懇話会は26日、津市内で総会記念講演会を開き、アフリカ文学を中心にアジア・アフリカ問題に詳しい北島義信・四日市大学名誉教授が「近代社会とイスラーム」と題して話しました。
北島氏は、「アラブの春」と呼ばれる北アフリカ、中東諸国の一連の民衆運動が「新自由主義」的経済政策がもたらす社会矛盾や、アメリカ主導の「対テロ戦争」に対する民衆の異議申立てだったことを指摘。チュニジアから始まった動きが急速に連動したのは、共通の矛盾を抱えているだけでなく、アラブ諸国の国境線は英仏によって人工的に引かれたもので、もともと国境はなかったのだから当然だとしました。
そのうえで北島氏は国家に権威を見いださない考え方や公正を尊ぶ宗教観などイスラムの理念を詳しく紹介。アラブ諸国で今、イスラム政治勢力が台頭しているのは、「復古」ではなく、彼らが土着文化としてのイスラムに立脚した近代化、欧米型とは別の民主主義を目指していることによるものだと指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2013年1月29日付けより)