県下の動き−県民のたたかい

県革新懇の総会記念【13.08.22】

「三重と文学」テーマに尾西氏講演

 三重県革新懇の総会記念講演会が18日、津市の県教育文化会館で開かれ、三重大学人文学部の尾西康充教授が「三重と文学」と題して講演。丹念な調査・研究に基づいた興味深い話に、会場いっぱいの聴衆が聞き入りました。

 尾西氏は、石川達三が「生きてゐる兵隊」で三重県の歩兵第33連隊による中国・南京での市民の虐殺を描いていることや、三重県出身で独立混成第4旅団に配属されていた田村泰次郎が「蝗(いなご)」で、朝鮮人「慰安婦」の前線部隊への輸送を描いていることを紹介するなど、文学作品を通じて、侵略戦争の実態、三重県との関わりなどを解明しました。

 尾西氏は小林多喜二についても取り上げ、多喜二が作家を目指すきっかけに三重県出身の教師・渡辺卓の存在があることや、多喜二が講演で三重県を訪れたことなどのエピソードも交えて彼の思想と文学を語り、「多喜二の精神を受け継いで平和と民主主義を守ることが大事」だと強調しました。

 講演後の総会では、尾西氏が新たな代表世話人に推挙され、承認されました。

(「しんぶん赤旗」2013年8月22日付より)

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