県下の動き−県民のたたかい
生活保護下げ 就学援助に影響【14.06.14】
三重県社保協が調査
昨年8月から段階的に実施されている生活保護基準の引き下げが児童生徒への就学援助にも影響していることが、三重県社会保障推進協議会(林友信会長)の調査で明らかになりました。
就学援助は、小・中学校への就学が経済的に困難な家庭に、学用品代や給食費、修学旅行費などを支給する制度。住民税非課税世帯や、各自治体が生活保護基準などを目安に定めた所得基準内の世帯が対象になります。
三重県社保協は先月、県内の全29市町に対して2014年度の就学援助の実施状況をアンケート調査しました。その結果、多くの自治体が、引き下げ前の生活保護基準を使ったり、就学援助基準の算定方法を変えたりするなどして、生活保護基準の引き下げが就学援助に影響しないよう対策をとっていました。
一方で、津市、桑名市、川越町の3市町は、引き下げられた生活保護基準に基づいて、そのまま就学援助基準を算定していました。これらの市町では、所得基準が前年度より大きく下がっているため、就学援助の対象から外れた世帯が出ている可能性があります。
県社保協は「政府は生活保護基準の引き下げが就学援助などに影響しないよう対応するとしていましたが、県内でもすでに影響が出ています。就学援助だけでなく国民生活全体にも今後、影響が出る恐れがあります。生活保護基準の引き下げは直ちに中止するべきです」と訴えています。
(「しんぶん赤旗」2014年6月14日付けより)