県下の動き−県民のたたかい
三重県 賛否明言せず【16.01.29】
県民会議、担当部局と懇談
原発なくせ三重県民会議(唐沢克昭事務局長)は26日、事前に実施したエネルギー問題のアンケートに対する県の回答をもとに担当部局と懇談しました。
原発再稼働の設問について、県は「安全第1が原則」「周辺の住民の方々に納得いただけるかどうかが重要」などとしながら、「エネルギーは国民生活や産業経済活動を支える根幹的な基盤」との一文も入れ、再稼働への賛否を明らかにしませんでした。
県民会議側は、県の「経済発展との調和」をあえて強調する発想を批判。福井県の大飯原発から飛ばした風船が3〜4時間で亀山市に届いたことについて県も把握しながら「(福井の原発から)30キロ圏以上の地域ということもあり具体的対応策は立てていない」と答えたことも批判しました。
高レベル放射性廃棄物処理場については県が「受け入れない」と答えたことを評価、「このスタンスを貫いてほしい」と求めました。
県民会議は、2011年に鈴木英敬知事と懇談した際に知事が「県内に原発を造らせなかった先人の皆さんの努力に感謝している」と述べたことを改めて指摘。「知事には放射性廃棄物をこれ以上増やさないという立場で原発を考えてもらいたい」と要請しました。
廃棄物処理場に13自治体「拒否」 県民会議アンケート
原発なくせ三重県民会議は26日、県を含む県内全30自治体の首長に対して昨年末に実施したエネルギー問題についてのアンケート結果を発表しました。
回答があったのは15自治体。原発再稼働については伊賀、玉城、南伊勢の3市町が「反対」と答え、11自治体が「その他」や無回答で賛否を明らかにしませんでした。
高レベル放射性廃棄物処理場の受け入れについては13自治体が「受け入れない」とし、2市町が賛否を明らかにしませんでした。
県民会議の唐沢克昭事務局長は、原発再稼働の動きが急ななか、賛否を明らかにしない自治体が多かったことを「非常に残念」とする一方、大半が放射性廃棄物処理場を受け入れないとしたことを評価。原発再稼働は将来世代への負の遺産になることを強調し、「各自治体は再生可能エネルギーの拡充に積極的に取り組んでほしい」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページ 2016年1月29日付けより)