県下の動き−県民のたたかい

各地で「自衛隊アピール戦略」【23.07.14】

小学生に「入隊体験」ビラ 鈴鹿市教委後援、学校で配布

鈴鹿市の小学校が児童を対象にした自衛隊体験会のチラシを配布したことから、「自衛隊入隊を推奨するもの」と怒りの声が上がっています。市教育委員会には後援取り消しを求める申し入れが相次いでいます。
体験会は、鈴鹿青年会議所が主催する「第31回フロンティアアカデミー」の行事です。今回は「陸上自衛隊入隊3days」として行われ、自衛隊三重地方協力本部四日市地域事務所が協力するもの。
チラシでは、鈴鹿市内の小学4〜6年生が対象、7月28〜30日に津市の陸上自衛隊久居駐屯地で実施。「入隊式」「基本教訓」「サバイバル 君は生き残れるか」「水鉄砲バトル」「戦闘糧食体験」「自衛隊の秘密兵器」などを予定しています。
日本共産党市議団は3日、市民の声をうけ、市教委に後援の経緯をただしました。5月に後援を依頼された段階では、行事の趣旨と概要が抽象的に記載されていただけで、市教委も長年、後援を続けてきた経緯から今回も後援基準に合うと判断し決定。 6月にはチラシ配布の依頼があり、「自衛隊入隊」などと書かれていたが、既に後援手続きされたものとして認め、各小学校を通じて対象児童に渡したと説明しました。
党市議団は10日、市教委に対し「軍隊としての自衛隊への興味を引こうとする」もので教育上、適当ではないと指摘し後援の取り消しを求めました。
12日には、三重県と鈴鹿市の平和委員会が市に後援の中止と今後も自衛隊の広報活動に後援しないことを要請しました。県平和委の西尾比呂也代表は、自衛隊の本質は「軍隊」であり安保3文書の閣議決定により戦争への危険性が増していると述べ、「子どもたちが『殺し、殺される』体験をするような未来をつくってはならない。子どもたちに平和な未来を手渡すことが任務と考えるなら、後援は相反するのではない か」と訴え。市の担当者は「チラシを見て戦争を思うところはあったが、最終的には保護者が判断するものと考えて小学校に送った」と述べ、後援を取り消すかどうかは「後日回答する」と話しました。

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