政策と見解−県・市・町の動き
2017年度予算をみる 三重県 財政難を口実に福祉削る【17.02.16】
教育関係職員増員の党要望は実る
三重県は13日、対前年度比4.8%減の7011億円の一般会計予算案を発表しました。
鈴木英敬知事は口を開けば「財政難」といい、各部署に政策的経費の45%カット・県民サービスの切り捨てを至上命令としました。
一般職員のボーナス(勤勉手当)を年間0.085カ月分の3年間削減に加えて、管理職はさらに月給平均2.7%削減で31億円を捻出しました。
大公共事業連発
一方で、昨年5月に開催された伊勢志摩サミットに94億円も使いながら、県民には経済効果が実感できないとの声が多く、それを払拭するために「ポストサミット」と銘打ち114億円の巨額な予算がつぎ込まれます。主には大型道路事業にあてられ、他には全国菓子大博覧会への支援や本居宣長をテーマとした「宣長サミット」の開催など海外富裕層を対象としたものや取ってつけたようなものが並びます。
鈴木知事はインターハイを1年後、国体を4年後に控える今年を「スポーツイヤー元年」と名付け、競技力向上や施設整備に加え、オリンピック・パラリンピック対応と冠を付けた県産物の販路拡大事業が目白押し。身売りしたシャープ、粉飾決算の東芝への企業補助金は見直されず継続し、さらにリニア駅誘致・航空宇宙産業推進のための予算が盛り込まれています。
失政のツケ重く
県が抱える借金の返済は1217億円となりますが、1.4兆円を残します。これまで失敗に終わっている大型公共事業で作った借金が財政を圧迫している形です。
党県議団が要望していた、児童相談所職員増やスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの増員が充実されました。あまりにも整備が遅れていた摩耗して危険な横断歩道を全て塗り替えるため交通安全施設整備費が前年度予算の3倍となる10億円に増額されました。
しかし、子ども・障害者・ひとり親家庭の医療費の窓口無料や、30人以下学級の拡充は見送られました。
安倍政権に追随する県政運営で、福祉サービスは自然増にも対応できず充実とは程遠く悪化の一途をたどっています。
(党県議会議員・山本りか)
(「しんぶん赤旗」2017年2月17日付けより)