政策と見解−県・市・町の動き
障害者の医療費自己負担分 「窓口無料に」運動広がる【18.10.10】
「窓口無料に」運動広がる
障害者の医療費助成制度をめぐっては、一受診あたり数百円負担しなければならない自治体もありますが、医療費の自己負担分を窓口で支払う必要がない都道府県は30あります。その他の県では、いったん窓口で自己負担額を支払い、還付手続きを取って助成される分だけ払い戻しを受ける方式(償還払い)です。
現在、償還払いの三重県で、「三重の福祉医療費窓口無料をすすめる会」は今年6〜8月にアンケートを実施。400人余りが回答しました。
受診抑制の傾向
同会を構成する三重県社会保障推進協議会の藤井新一事務局長は、「所得制限がありながらも、やっと県は、来年4月から子どもの医療費窓口無料化を始めることになりました、次は障害者医療費にとりくみたい」と語ります。
アンケートの中間まとめによると、1カ月あたりの平均医療費は、通院4013円、薬局3715円、入院3万1386円、リハビリ7068円。藤井さんは「障害者の多くは所得が低いため普段、受診抑制している傾向がある」と話します。
重症化で医療費がよりかかることも。アンケートに取り組んだ津市の女性は、自身も身体障害があります。「けん板が断裂したとき、痛みを感じながら我慢していたら悪化してしまい、治るまで長引いてしまった」。
自由記述欄には、「前払いの負担が大きい。自分は聴覚障害者で聞取りができないので、やりとりの負担もあり、(窓口無料化を)実施してほしい」「窓口無料化になれば、行きたい、必要なときに受診し、身体回復の向上につながる」など切実な声が上がりました。
医療費助成に地域格差をなくし、最終的に国の制度になるよう各地で運動が広がっています。
(「しんぶん赤旗」2018年10月10日付より一部引用)