政策と見解−県・市・町の動き
吉田三重県議が初一般質問【23.06.9】
「思い代弁」期待の声
リニアより公共交通
4月の三重県議選で津市区の日本共産党議席を奪還した吉田紋華県議が8日、県議会本会議で初の一般質問を行いました。リニア中央新幹線よりも公共交通充実、給付型など奨学金制度拡充の訴えに傍聴者からも「私たちの気持ちを代弁してくれた」と期待の声が寄せられました。
吉田氏は冒頭、選挙を通じて、政治を一部の人のためだけのものにせず、女性や若者をはじめ全ての県民の声を政治に届け、あらゆる差別がなく、だれもが大切にされる県をつくりたいと訴えてきたことを紹介し、「この立場で与えられた任務を果たしていく」と決意表明しました。
リニア計画では、JR東海自身が有価証券報告書に、工事費の増大、難工事による工事遅延、人口減少による収入減、訴訟の提起などをリスクとして挙げていると指摘。
県が策定するリニア基本戦略の中に、「こうしたリスクを反映させていくのか、それとも202 7年開業予定をめざす姿勢なのか」とただしました。
一見勝之知事は課題を検討すると述べる一方「リニア駅は三重県の発展に必要」と姿勢を示しました。
吉田氏は、知事が好きだという「ふるさと」の歌にふれ、「リニアの計画が青き山、清き水を破壊していくのではないか」と指摘。「建設ありきで突き進むのは危険。引き返せるうちにやめるべきです」と訴えました。
公共交通では、県が発表した県民アンケートのなかで移動手段や交通への不満がどの世代でも高いことや、学生や保護者が不便な環境のなかで苦労している様子を紹介。「リニアも公共交通もどっちもやるのかという姿勢でいいのか」と迫り、公共交通拡充のための市町への支援を強く求めました。
奨学金制度拡充を
奨学金制度では、駅前の対話で寄せられる「大学の学費が高い。給付型の奨学金をぜひやってほしい」という声など紹介。日本の高学費、低賃金・長時間労働、奨学金返済に苦しむ若者の実態を示しながら、すぐにできることとして、県が実施している若者の定住支援のための奨学金返還支援制度の対象を、県外在住の既卒者だけなく県内在住の既卒者にも拡大してはどうかと求めました。
後田和也政策企画部長は、給付型奨学金の拡充は国に提案すると述べ、返還支援制度では他の事例も参考に検討すると答えました。
傍聴者からは「初めての質問でも堂々としていて頼もしい」「私たちの気持ちを代弁する共産党の議席があってよかった」などの声が聞かれました。傍聴した正路勝さんは「若者の通常の不便さやリニアの問題でもいいところを突いていた。リニアが自然環境を壊すということもその通り」と話しました。30代の人は「子どもの教育機会を奪わないために、条件を付けない給付型の奨学金を県でつくろうという訴えに共感した」と期待を寄せました。